ロジクールから2006年に販売された最高級マウス・MX revolution (MX-R)。当時の最先端技術を惜しみなく投入され、1万円オーバーという価格にも関わらず熱烈なファンを多数産みだした歴史に残る名マウスです。
自分も愛用していたこのMX-Rですが、流石に数年が経ちクリックが勝手にダブルクリックになるチャタリングが発生し、バッテリがフル充電しても10分程度しか持たなくなり、涙を呑んでMX-RからM950tに機種変更を行っておりました。今回は部屋の大掃除中に見つかったこのMX-Rの修理を試みてみます。
なお、MX-Rには前期型と後期型の2種類があります。今回修理するのは前期型の方になり、後期型だと修理手順や必要なパーツが若干異なります。
前期型は、本体裏に書いてある型番が832105-0000(Rev C0/D0)で、充電ランプがこのような形状になっています。今回修理するのはこれ。
後期型だと、本体裏に書いてある型番が810-000421(Rev D1/D2)に変更されており、充電ランプの電池アイコンが異なります。内部構造も違っており、ホイールが簡略化されていたり、バッテリがカートリッジ式ではなくコネクタ直付けになっているものが混ざってるので注意してください。必要な部品も違います。
今回修理するMX-Revolutionは前期型です。
MX-Rの修理の為に調達したものは部材は以下の3つ。全てAmazon.co.jpで購入できます。 ※今回修理するMX-Revolutionは前期型です
・Amazon | オムロン(OMRON) D2F-01F互換品 マイクロスイッチ チャタリングなどの修理用 5個セット D2FC-F-7N(20M) | マイクロスイッチ | 産業・研究開発用品 通販
クリックがダブルクリックになる!というチャタリングが発生しているのであれば、マウス内部のスイッチがもう限界を超えて故障した場合がほとんどです。接点の清掃を行う事で一時的に改善する事も可能ですが、いっその事スイッチそのものを交換してしまう方が確実です。元々はオムロンのD2FC-F-7N(10M)というスイッチが使用されているのですが、今回はD2FC-F-7N(20M)を利用しました。
すっかり消耗して充電できなくなったバッテリーは、互換品のバッテリが海外で存在するのでこれを利用します。ちなみに自分は発注して到着まで2週間以上かかりました。
ちなみにバッテリコネクタ直付けの互換バッテリはこっち。商品説明ではNew/Oldが逆になっているような印象ですが、いずれにしろ可能であれば事前に開封してバッテリ形状をチェックした上で発注するのが正解だと思います。
・Amazon | パワーサポート エアーパッドソール for MX レボリューション PAS-71 | パワーサポート | マウスパッド通販
すり減って滑りが悪くなってしまったソール(マウス裏面のツルツルしたヤツ)も新品に交換してしまいましょう。メーカー純正のソールはもはや入手が大変困難になっているのですが、純正品よりも使い心地が良いパワーサポートのエアーパッドソールがオススメです。(同じパワーサポートのエアーパッドプロと組み合わせるとさらに操作性が増します)
この3点を修理用の部品として調達しました。また、スイッチ交換を行う場合は半田ごてを使う作業が必要になります。自分は以下の工具で作業を行いました。
・Amazon | goot 実装基板・精密プリント基板専用はんだこて CXR-41 | ハンダゴテ
・Amazon | goot はんだこて台 ST-11 | DIY・工具
・Amazon | goot 高密度集積基板用はんだ SD-60 | ハンダゴテパーツ
・Amazon | (STRAIGHT/ストレート) ハンダ吸い取り器 19-192 | ハンダゴテ
・Amazon | goot はんだ吸取り線 CP-3015 | ハンダゴテ
・100均で売ってる普通の精密ドライバー
分解手順そのものは簡単で、裏面のソール(ツルツル滑るアレ)を剥がして+の精密ドライバーで4か所のネジを外すだけ。
後はフラットケーブルを引きちぎらないように気を付けつつ、そっと持ち上げれば上半身ユニットを取り外す事ができます。
バッテリ交換を行うだけであればこの段階で古いバッテリを調達した新しいバッテリと入れ替えて作業終了となります。写真は前期型のカートリッジ式ですが、後期型のコネクタ直付けの場合も難しい作業ではないはずです。たぶん。
古いスイッチの取り外し&新しいスイッチの取り付けに関しても詳細説明は割愛。精密ドライバーでホイール上部・バッテリ裏2か所りネジを外し、充電部分の2か所のハンダづけを外せば簡単に基盤を取り外すことができます。後はスイッチのハンダを外し、同じ場所に新しいスイッチを取り付けするだけです。
200万回の耐久性があるスイッチです。そう簡単に壊れる事は無いでしょうし、仮に壊れたとしても同じ方法で簡単にまた修理する事ができます。
ついでに。
MX-Rの修理に使用したD2FC-F-7N(20M)がそのまま利用できるので、ついでに同じロジクールのPerformance Mouse M950のチャタリング修理も行います。
分解方法はMX-Rと同じで、裏面のソールを剥がして4箇所のネジを外すだけ。ただし…
ただし、簡単に分解されないように星形のネジが使用されています。このネジ何か見覚えが…MacBookAIRのSSD固定用のネジと同じなような?
という事で手元にあったこちらのドライバーでネジを回すことができました。
オープン。MX-Rと違い、M950の場合は上半身と下半身はフラッとケーブルではありません。優しくコネクタから外してあげてください。
M950で使われているスイッチはD2FC-F-7N。今回準備したD2FC-F-7N(20M)の廉価版で、確か耐久50万回のものだったと記憶しています。
まずはローラーユニットを取り外します。この部分にピンがあるので、ピンセットで真横に外してあげてください。
ホイールユニットを取り外すことが出来ました。
ホイールユニットを取り外した所に小さなバネが2個あります。作業中に吹き飛んでいく事も考えられるので、なくさないように取り外して保管しておいてください。
後はネジを外せば基盤を取り外すことができます。充電用接点部分のハンダを外す必要がないので、MX-Rより簡単です。
後はこのスイッチを交換するだけ。ね、簡単でしょう。
M950はMX-Rと比較すると大きい・重い・ホイールが手動切り替えになったとあまり評判がいいマウスではありませんが、単三電池が使える&緊急時にはUSBケーブルを直接刺すことで有線マウスとしても使える非常に汎用性が高いマウスです。
チャタリングが発生しやすい弱点も、今回は耐久性4倍のスイッチに交換した事でしばらくは耐えてくれるでしょう。
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