─2018年、正月。

ななつ星から、年賀状が届きました。

JR九州が運行する豪華寝台列車 クルーズトレインななつ星in九州。

運行開始より地元九州でも大きな話題になり、運行開始から数年が経ちましたが今でもはカメラを持った鉄道ファンや親子ずれが駅で止まってるななつ星の写真を撮っている姿をよく見かけます。

自分も隣街で行われるサッカーの試合からJRで帰ってきた時に長崎駅で停車しているななつぼしを「すごい…」と目をキラキラさせながら何度も何度も眺めたものです。

夜の長崎駅でひときわ輝くななつ星最後尾にあるDXスイートルーム、お値段は3泊4日で1,500,000円。

地元の鉄道会社が全国いや世界にも通用するクルーズトレインを九州で運行しているという事。これは1人のJR九州ファンそして1人の九州人として胸を張りたくなるほど誇らしい事だと思っています。そしてそれと同時に、「この列車に足を踏み入れることは、僕が死ぬまで一度も無いんだろうな…」という気持ちも抱えていました。

そんな憧れのななつ星に、思わぬご厚意で乗車する事が出来ました。

今思い出しても夢のような時間…その時の事を、少しお話させて頂こうかと思います。

─2017年、正月。

年末年始の遠征から戻り、やっと落ち着いたので部屋でゆっくりとDVDを見ていたらふと電話が鳴りました。

電話の主は東京の友人から。こんな時間にどうしたんだろう、というかあゆみ役の女優さんは竹中なおですよ…と思いながら応答ボタン。

「あのさ、一緒にななつ星乗らない?」

「はあ???」

…どういう事かと話を聞くと、親孝行しようとこれまで何度も何度も何度も何度もななつ星に応募し続け、数年を経てついに当選の連絡。しかし一緒に乗る予定だった親御さんが諸般の事情で断念する事になり、こんな一生に一度当選するかしないかという機会をキャンセルするのもありえない!という事で、自分に白羽の矢が立ったという事でした。

ななつ星は、その金額もさることながら、そもそも人気の為に予約そのものが抽選制になっています。平均倍率は30倍前後で、DXスイートルームに至っては200~300倍の倍率も珍しくないのです。そんな超がつくプラチナチケットの旅行に誘っていただく…こんな機会人生でそうそうあるとは思えまい…色々な事を考えて、考えて。

 

「よろしくお願いします。」

 

こうして、2017GWのななつ星旅行が決まりました。

それからしばらくして、ななつ星の封筒が届く。

お伺い書には旅行内容に関する事だけでなく、その前後日程のフォローも含めて本当に事細かく様々な事が。担当さんからの直筆の手紙も入っており、ななつ星に乗るんだ…という気持ちが高まっていきます。

他にもたくさんの書類やパンフレットなどが入っており、中には「こういったものを準備してね」「ディナーはタキシードやダークスーツ、和装などの正装を準備してね」という旅のしおりなども入っていました。正装…昔着てた礼服大丈夫だろうか…体系作らないと…そんな事も思いながら、ななつ星乗車当日に向けて準備を進めていきます。

 

ちなみに1泊2日コースなので、福岡を出発して長崎に向かうコースになります。

長崎人の長崎旅行!

Photo : @46malonu

お正月からGWの間日々の日常に追われたり豊郷行きがあったりと忙しい日々が続きましたが、大きなトラブルもなく無事にGW突入。

友人も東京から長崎入りし、ななつ星乗車の前日には福岡博多に移動して、博多で一泊してななつ星に乗ろうという事になりました。

翌日、長崎駅。

当初は夕方ごろにゆっくりと博多へ向かう予定だったのですが、ふっと(2017年の)GW中は佐賀県でユーリ!!! on ICEと佐賀県コラボイベントが行われている事を思い出し、朝から長崎を出て佐賀でユーリめぐり、そのあと福岡に向かう事になりました。

今回乗車するのは、長崎⇔博多を結ぶ特急かもめ。ただし速達タイプの白いかもめではなく、黒いかもめの方に乗ります。

その理由は…

グリーン個室を満喫するため。

この特急黒いかもめでは、2人分のグリーン料金でグリーン個室を貸切る事ができます。金額的にもお得だし、まるでアガサ・クリスティーの世界のような時間をゆっくりと堪能する事ができます。この特急黒いかもめはかつては特急つばめという名前で福岡と鹿児島を走っており、その時”水曜どうでしょう サイコロ5”で大泉さん達が乗っていたのがこの個室になるのです。

個室で作戦会議。

ぶたまんは桃太呂のぶたまん。つい先日マツコの怒り新党にも取り上げられた長崎の味です。

そして朝っぱらからビールと豚まんで乾杯とか本当にすいません!

有明海を眺めながら、かもめは北へ。

今回の下車駅は佐賀。

ここで車で来ていた大村の友人と合流し、3人でユーリオンアイス佐賀コラボが行われている唐津を目指します。

佐賀市を出て2時間弱

佐賀県北部の拠点都市・唐津にやってきました。

最後に唐津に来たのは、確か唐津競艇場で開催されたワンピースショーを見に来た時だから…14年ぶり???

14年もたてば唐津もだいぶ変わってますかね…

変わって…

変わっ…

変…

変わってるどころか、唐津駅大変なことになってるぞ!!!

唐津駅の観光案内所では公式の巡礼マップを配布していたり、ユーリコラボむちゃむちゃ盛り上がっていました。

巡礼マップをゲット。

唐津だけでなく呼子や伊万里でも色々やっているとの事。

時間はちょうど昼飯どき。ユーリの巡礼の前に、まずは名物呼子のイカを食おう!

という事で、唐津市内から呼子に向かいます。

「伊達政宗陣跡」という交差点名、かっこよすぎるだろ…。

ユーリコラボを行っている玄海さんに到着。しかしGWど真ん中×イベント中という事もあり、数時間待ちの可能性もあるとのこと。

いやいやここまで来て引き返せますか!

海を眺めていたり

水槽で気持ちよさそうに泳いでるイカの皆さんを見ていたら、思ったより早く名前を呼ばれました。

そう気軽に唐津には来れないし、奮発しちゃおうぜ!という事で色々頼んだら

なんだか

すごいことに

なってしまったぞ

あーもう何を食べても美味しい!

呼子のイカ。

この為だけに東京から人が来るのも頷ける美味さでございました!

ポストカードはコレ。尊い…尊い…と言いながら泣き崩れそうになってるたび氏が居たとか居なかったとか。

その後は唐津市内まで戻って市街地の散策。

商店街の中にはわかりやすい解説。

そうそう、聖地巡礼ではこんなのが欲しかったんだよ!

実写だ!実写で再現しとる!!!いいぞもっとやれ!!!

めくったらユリオがいる…

ユリオがくそやばいおしゃれと言ったお店では

本当に虎トレーナーが飾ってあったりするし

ミナコ先生が温泉onICEのポスターを貼っていたお店には本当にポスターが貼ってある。

 

 

他にもお店の店頭で同人誌が置いてあったりと、本当に町ぐるみで巡礼に来た人に少しでも楽しんでもらおうという心遣いが本当に有難かったです。

一般のお客さんにとっても、我々のような巡礼者にとっても居心地が良い商店街というのは本当にすごい。

スタンプラリーをこなし、クリアファイルをゲット。

商店街から唐津市役所へ。

唐津市役所の観光課では、ユーリ関連の展示があると聞いてやってきたのですが

「展示がある」ってレベルじゃねーぞ!

劇場版も楽しみですね…。

そろそろ時間が厳しい。

唐津市役所から唐津城へ。

勇利たちがジョギングしてた橋!

釣り人と出会った場所も本当にある!

ここから唐津城に登ります。

「水野…小笠原…松平…ここは白薔薇城なのでは???」という話でもりあがるリリアン卒業生。

福沢は。

2話で勇利がダイエットしてた所ですね

ベンチもしっかりと。そして後ろを振り向くと

唐津城の天守閣

そしてパネルが!ニンジャヤシキ!

すごいぞ唐津…。

唐津城から鏡山展望台へ。

パノラマビューで。

さっきまでいた唐津城

目の前には虹の松原がはっきりと。もう少し天気がいい日であればなお素晴らしい絶景だったでしょう。

近くには松浦佐用姫の像。

松浦佐用姫 – Wikipedia

537年、新羅に出征するためこの地を訪れた大伴狭手彦と佐用姫は恋仲となったが、ついに出征のため別れる日が訪れた。佐用姫は鏡山の頂上から領巾(ひれ)を振りながら舟を見送っていたが、別離に耐えられなくなり舟を追って呼子まで行き、加部島で七日七晩泣きはらした末に石になってしまった、という言い伝えがある。

悲恋の姫様らしい。

悲恋の果てに、という感じですね…。

最後に、勇利の実家であるゆ~とぴあかつき…のモデルになった、鏡山温泉美人の湯に向かいます。

鏡山温泉茶屋 美人の湯(唐津市/和食) | ホットペッパーグルメ

鏡山温泉茶屋美人の湯(@kagamiyamaonsen)さん | Twitter

やたら元気なお父さんに出迎えられて駐車場IN。

「門の外から~~~写真撮る時は~~~気を付けてね~~~~♪」とリズミカルに気にかけてもらいつつ、いざ門の外に出てみたら…まんまや。まんまゆ~とぴあや!!!

そんなこんなでテンション爆上がりのまま入館しましたら…

ここもなんかすごい事になってるぞ・・・・・・・・・・・・・。

唐津はどこもかしこも\ようこそ!/という空気にあふれてて本当に居心地がいい。そして鼻をくすぐる美味しそうな匂いが…

腹も減った。

悩むな!

あちこちにユーリ関係の掲示が。

オーダーしたのはもちろんコラボメニューの長谷津カツ丼。

近所にあったら食事の為だけでも通うレベル。普通にうまいわ!

食後は館内を散策した後、楽しみにしていた温泉へ。

近所にあったら温泉の為だけでも通うレベル。普通に気持ちいいわここ!!!

…さっきも似たような事を言ってましたが、この温泉が本当に気持ちよかった。美人の湯を名乗るだけあってしっとりと肌を包み込む泉質、それでいてぬるめの樽風呂は何時間でも浸かっていられる最高の温度。今回は時間の余裕が少なくてあまり長風呂できませんでしたが、地元にあったら週一で通いたいお風呂でした。

飯はうまい、風呂は気持ちいい、接客は気持ちいい…鏡山温泉、恐るべしです。

その後は、鏡山温泉のすぐ裏にあるJR虹ノ松原駅へ。

ここで地元の友人とは別れて、ななつ星組は福岡へ向かいます。ここからはスイッチを切り替えて完全にななつ星モードだ。

いかにもローカル線という空気がある駅とホームですが、実はここから福岡空港までは乗り換えなしで行ける利便性の高い駅だったりします。

逆に言えば、海外から福岡空港に戻ってきた勇利が実家に帰るときはこのルートを使うわけです。

想像してください…9話ラストのあの再開のあと、二人はそのままローカル線で1時間以上揺られて戻ってくるわけですよ…あの後に、人気も少なくなった夜のローカル線で戻ってくるわけですよ…こんなの想像したら尊すぎるでしょ…いかんでしょ…えらいことでしょ…スイッチ切り替えるとか無理でしょしんどい…

みたいな事を想像していたら気持ちいい電車の揺れに撃沈、ウトウトしてたらあっという間に博多についてしまった。そら海外から戻った直後なら勇利も寝るよな…。

博多駅からは今夜の宿・ホテル日航福岡へ………ホテル日航、ホテル日航なの!?

友人曰く「せっかくだから前泊も良いところに泊まりたい!とななつ星の担当さんにお願いしたら、ここを抑えてくれた」という。ちょっとまって普段は河川敷withAmazonダンボールか食事抜きユースホステルくらいしか泊まらない自分にとっては、ななつ星に乗る前にいきなりゴール感が。にはは…もうゴールしてもいいよね…

「璃正と時臣がくるくる回ってそうな場所だな…」とか思いながらロビーで挙動不審のまま待っていると受付終わったよという声。

エレベーターが向かうのは最上階

そして部屋。

あぁこれ今夜抱かれるフラグだわ、グッバイマイASS…

 

「ラーメン行こうか!」

それでこそだよ!あんちゃん!!!

博多から地下鉄で長浜へ。

かつてあきばろーざ率いるうみクラが大乱舞した長浜公園を通り

やってきたのは元祖長浜屋。今日まではいつもの日常、ズルズルと美味しく頂きましょう!

明日からは、別の世界が待っているから。

 

─本編へつづく。