・たびのたびにっき特別編 ”ゲキ★ヤス旅行記II” 第三夜
後編開始、二日目の見所は観光列車3連戦です。
『うってかわって…
はれましたっ!』
昨晩の豪雨が嘘のよう、朝からは晴天とも言うべき天候。
窓の外から差し込んでくる明るい日差しで自然に目が覚める午前6時。昨晩はシャワーあびる余裕もないまま布団に倒れ込んでしまったので、朝風呂はいった後に荷物をまとめて出発であります。
そういえばEVAも上映はじまったんですよね、今日の夜に頑張ればレイトショー行こうか…そんなことを考える余裕はこの段階ではありました。その考えが大きな間違いであったのに気づくのは12時間後。
福岡市営地下鉄のICカードの宣伝やってました。
こんなデザインだったら買ったのに。
地下鉄で博多駅まで移動。いま考えれば人数が多いんだから、博多駅までは地下鉄じゃなくてタクシー使っても良かった気がする…
地下鉄博多駅に到着、ここからJR博多駅へ。
おい。
それでは2日目、今日も楽しくいきましょう!
最初の列車は特急リレーつばめ、博多から鹿児島を目指す路線の前半戦を征く列車です…がその前に1つ思いついた事。それは…
はかた駅の名物(勝手に言ってるだけ)・駅ラーメン屋の壊れた券売機!
自分が記憶する限り、少なくとも数年前の段階からずっと液晶がこの状態で…でも誰も気にしないし実用にも問題ない、そんな姿をみるのがほっとしていたのですが…
券売機ついに撤去されてる!!!??!?!?
なんか博多駅最大の名物(個人的に)だったのでショックです…もしかしたら他の売店に移動しているのかも、見かけた方は教えて…ください…
落胆のあまり目の前にともってた「特急かもめ」も適当に撮ってて撤収。いいんだよハイパーサルーンだしヨ!(偏見!)
乗り心地はいいんですけどネ。
…それでは、あらためまして特急リレーつばめ。
鹿児島中央でもないし、新八代でもない。
つばめに乗って、熊本に向かいます。
ずらっと並んだブラザーたち、ボックス座席を2つ占有(=8人だから)というのはただただ壮観の一言で…
検札。
目の前の座長がなんかオープンしとる。
くそっ、くそっ、ちくしょう!(※自分は電車撮ってて博多駅で駅弁買わなかった人)
鳥栖で昨晩お別れしたでこぽんさんと合流、これで全員揃ったことになります。
ここで、某氏が懐から何かを取りだしました。それを見て一斉に興奮する一同。
SL人吉の指定席券配布タイムきたー!
1枚取るのでも10時打ちで敗退するという激レア切符であるSL人吉、自分も長崎駅のまとめて購入の時には「1枚も取れなかった」という状況だったのですが、諸般の事情により8人分確保して頂いたのであります。
しかも「下り」「座席は4人ボックス+進行方向の2人がけシートが2カ所」という信じられない程の最高の組み合わせ。
ここで座席はランダムという事に。一念発起、一撃入魂!えーい!
自分は6Bげっと、お隣はかずぴーさん。やばい、πタッチされる!!!
ワイワイもりあがってるとワゴンサービスタイム。
ここで自分は朝食(兼昼食)をお買い上げする事に、今回のチョィスは電車の名前の弁当をという事でつばめ弁当に。
割り箸もつばめ。
お品書きまであるしっかりしたお弁当じゃないか…小さく小分けにされ、一度にいろんな味を楽しむことが出来る今風の駅弁といった感じ。
…恥ずかしながら、全体図を取る余裕もないくらいに腹が減っておりまして。
それでは、いただきます。
『マスター、一緒に食べましょう!』
『ーーーーーーーーー!!!』
…さて、ここからは探検タイム。今はお客様居ないのでグリーン車見られてきたら如何ですか、と言っていただけたのでお言葉に甘えてグリーン車に向かいます。
わお。
全体的に「落ち着いたグリーン」という印象、あえて奇抜な感じにせずに、それでいて下品さの無い雰囲気…ここらへんもまた面白いです。そういえばグリーンの座席エリアには初めて入ったな…とふと思い出す、これに関しては後述。
問題この最前列に3席だけある、デラックスグリーン。
ここまでリクライニングする座席、オレははかた号以外で見たことがない。
この座席ともあと数年でお別れですよ…(九州新幹線・つばめの全線開通により)
前回のゲキヤスツアーでお世話になったグリーン個室であるサロンコンパーメント席。こちらは水曜どうでしょう!のはかた号ツアーの時に一向がべろべろに酔っ払っていた部屋と同じものですね。
…と、探検していたらあっというまに熊本だ…。
今回は新八代ではなく熊本で下車、そしてここから今回の大本命である「SL人吉」を体験するのであります。
熊本駅はSL一色、なんかもう今からワクワク感があふれ出す!とか思っておりましたら、耳に聞こえる「ポッポー!」という音がする。
へ?と思って隣のホームを見ると…
SLおるやんけ!!!
なんでなんで?ホームはこっちじゃなかったの?と思いつつダッシュで走っていく。
うわー黒鉛すげえー
とか思っていたらSLどっか行ったの…。
ここで再びもともとのホームに移動。SL人吉乗り場に向かいます。
熊本駅の中でもさらに一段階「SL濃度」が濃いSL人吉ホーム、そして人口密度も明らかに他のホームより高い。もちろんそれは鉄分多めの皆様方が…と思っていたのですが、実際には普通の親子連れの皆様方といった地元の方(と思われる)方がとても多く、そして皆さんニコニコして遠くからやってくるSLを眺めておられました。愛されてるなSL…。
…それでは、あらためて。
汽笛一声・SL人吉でございます。
子供の頃まだSLが身近…ではないにしても、さまざまな機会で乗ることができた時代。それから20年がたち、SLというのは本当に珍しい存在になってしまったのですっかり忘れていました。
圧倒的な力強さ、年月を感じさせる渋み、そしてなにより…美しい。
もうこれは言葉になんねえ…。
それでは、SL人吉で100年レイルの旅へ向かいましょう。
これがSLの中?とは誰も信じないレトロとモダンの雰囲気が両立する客車内。
調度品の数々も雰囲気を盛り上げてくれます。
というか盛り上がりすぎる。
先頭車・および最後尾の車両には展望ラウンジ
SLを眺めるとこんなプレートが。
中間車両にはビュッフェ完備。記念のスタンプ台やメッセージカード等も準備されています。
沿線観光案内図もあり。
SL文化というSLに関連した文庫コーナー。
電車男とか国鉄の苦悩とか複雑な表情になる本も置いてあるな…。
これだけ充実した空間でこれから旅が楽しめる…その喜びをかみ締めていると…
外でお姉さんがカランカランと鐘を鳴らす、これが本当の発車ベル!!!
ここまでやられましても!ここまでやられましても!すごいぞJR九州!
駅の敷地内にはSLを一目見ようとする人たちで溢れかえる、というか場所的にここらへんはアウトだろ。
ブルートレインの名残に見送られながら、発車でございます。
発車した後、お隣ではかずぴーさんが朝ご飯タイム。
SLは黒煙をあげながら南へ。
…そして、今回一番感動したのが沿線の皆さん。
みんなSL人吉に向かって手を振ってくれるんですよこれがまた!
車内でアナウンスもあったのですが、このSL人吉では沿線の皆様とのふれあいを…という事で、沿線の皆さんを見かけたら手を振って挨拶しよう、“手を振るレール運動、略して「手を振レイル運動」”を実施しておりますという事で…SLを眺めるみんなの笑顔、そしてそんな皆様をみてSLの中も満面の笑顔。笑顔が笑顔の連鎖を産むという状態に目頭が熱くなります…というか本当にグッとくる。嬉しくて嬉しくてこちらも手を振りながら、ちょっとだけ涙ぐんでしまったのはナイショです。
車掌さんが検札にこられましたのでお願い。
ちゃんとSL人吉のロゴマークになってる。あーもう細かい所まで!ただただ感涙…
お隣ではかずぴーさんが朝ご飯タイム、ゆっくりと味を楽しんでおられるようです。
ここで、おかp座長が「最前列の展望いくー!」言っておられたので一緒について行く事に。
この最前列に飛んでくる「すす」!たまらんね、これはたまらんよ!!!
そしてしっかりプレート片手に記念撮影してもらっちゃったりなんかしてー!
もう完全に子供モードです。フロアアテンダントさんもニコニコしておられました…ううっ…。
新八代到着。熊本から新八代まで、リレーつばめであれば20分…そこをこのSL人吉は50分近い時間をかけてゆっくりと、ゆっくりと走ります。
レトロな味わい、流れていく景色ものんびりしたもの。
…でもね。
沿線の皆さんとこんな触れ合いができるのであれば、それを最高の時間といわずして何というのでしょうか。
贅沢。
私たちは今、ただただ贅沢な時間を楽しんでいます。
八代到着。ここで少し時間がある、という事なので外に出ますと…
鮎屋三代!鮎屋三代じゃないか!!!
駅弁ランキング3年連続第一位!焼鮎の出汁でしっかり炊き上げた炊き込みご飯の上に、煮込んだ鮎の甘露煮をのせた最高に贅沢なこの駅弁。駅弁ファンの間でも有名な鮎屋三代が出張販売にきてくれた!
人々が押し寄せてきた!
テレビカメラも押し寄せてきた!!!
暴動寸前かとも思えるような賑わい。そりゃみんな必死になるよな…!
自分は「また今度こよう!駅弁食べるためだけに!」という事で混乱が続く販売エリアを離れてぐるりと汽車の方へ。
…と、ここでも記念撮影タイムだった。お邪魔しないようにのんびりと散策。
ふっと機関士さんをみると、なんかもうすごい状態になってた…そうだもんな、これはSLだもんな。情熱の…というよりは本当に「熱」との戦い。たまりません…。
ベルが鳴る。
発車の時間です。
鮎屋三代の皆さんも手を振る!
駅員さんも手を振る!!
セイバーさんも手を振る!!!
カメラマンさんたちはスルー!というか普通にお仕事中。
なにはともあれ、いってきます。
途中、九州横断特急とすれ違う。
球磨川が綺麗ですねー。
のんびりと外の風景を眺めていると車掌さんがやってくる。なんだろう、検札は最初に終わったし…と思っていたら
SL人吉の乗車証明書もらった!
瀬戸石駅付近、川の向こう側に渡し船(と木の陰になってるけど小屋)があるのがわかりますでしょうか、こちらには対岸との間を結ぶ渡し船があり、30年という長い間求广川八郎(くまがわはちろう)さんがおられるという事。
途中、展望フロアにいくと記念撮影をしている。
おねいさんになお願いして一枚。
そして自分も一枚。
それにしてもこの男、ノリノリである。
ああ、ここでもみんなオールを振ってくれてる…。
途中下車。JR九州の他の観光列車と同じく、SL人吉も何度かの停車駅では少しだけ時間があります。
今回の停車駅は一勝地、名前からしてもう大勝利な駅です。
大半の人は記念撮影、そして
残りの人は駅舎や売店へ。
自分も売店へ、そこでお買い上げしたものは…
約束されすぎた勝利の切符!
…いろいろ頑張ってください。
そして…鐘の音が鳴る。
皆さんが送り出してくれる中、SLは南へ。
そして終点である人吉が近づいてきました。ここで希望する方には人吉観光マップを差し上げますよーとアテンダントのお姉さんが持ってきてくれる。そんな御好意は有り難く頂戴することにする…人吉も改めてゆっくりと観光に来たいところです。
貴方は…。
途中、川下りをして楽しんでいる皆様とも何度もすれ違う。
みんなこっちみてオールを振ってくれるんだよ…。
そして定刻、楽しい時間を終え人吉駅に到着する。
お疲れ様、ハチロク。
ありがとう。
…ここで、いったん駅を出てぐるりと回ります。
向かった先は人吉石造車庫。
ターンテーブルの瞬間を見たかったのですが、時間的にアウトだったので残念…
ここで、先ほどまで一緒に熊本駅からの旅を終えたSL人吉がメンテナンスのために車庫に入る。
遠くから眺めても美しい。
遠くから感じても力強い。
SLの息吹、それをいつまでも感じていたいと思う瞬間なのでした。
―つづく。
・たびのたびにっき特別編 ”ゲキ★ヤス旅行記II” 第四夜
観光列車の旅・後編。
SL人吉をたっぷり楽しんで、再び人吉駅に戻ってきた所から。
キター…ってこれは九州横断特急。コレも観光特急ではあるのですが、今回の目標はこちらではありません。
既にちらっと見えてますね。
そう、今回楽しむのは「いさぶろう・しんぺい」号。
前回のゲキヤス旅行でも大活躍そして大興奮の連続だった観光列車であります。
到着したらバシバシ写真を撮られるいさしん。
SL人吉がすごすぎて印象が薄れそうになりますが、こちらも屈指の人気を誇る観光列車なのですよ。
いさぶろう・しんぺい。
時の逓信大臣である山縣伊三郎、そして当時の鉄道院総裁後藤新平の二人からその名をとられた電車で、特急ではないが指定席が設定されてある観光列車。その内装もまたSL人吉のように、レトロモダンというとても素敵な空間を演出しております。
ただ、今回は増結車両があったみたいでレトロモダンではない普通の車両もあったのですが…
ナ、ナイスレトロモダン…?
まずはここでスタンプタイム。
そして俺達集合!!!
い、いやだってサンデーGXでこんなのあったから!いさぶろう・しんぺいでてきてたから!集っちゃったから!
列車はのんびりと山間をぬけていく。
到着したのはおこば駅。
おこば…おこば………とちょっと考え込んでしまいましたが、まずはのんびりと駅舎を見学。
時期が時期という事もあり、七夕飾りが。
そして再び鉄道へ。
おこば…おこば…やっぱそうだよな、ココか。
コレって明らかに大畑駅だよな、背景。
だから。
俺たちは。
今ふたたび。
そして俺達集合!!!
い、いやだってサンデーGXでこんなのあったから!いさぶろう・しんぺいでてきてたから!
そして全国から俺たちが集っちゃったから!
大切な事だから2回言いました。
大畑駅出発。
ここからJR九州の観光列車は本気を出してくる。
具体的に言えば見せ場の連続でだまって座席についてるなんてもったいない!
まずはいきなりスイッチバック!
運転士さんをおっかけて反対側へ。
さっきやってきた線路が下がっていく…スイッチバックは自分が子供の頃は長崎本線にもあったのでなじみ深かったのですが、気がつけば新長崎本線ができてすっかりなくなっちゃったんですよね…。
ぐるーーーりとまわって山を登るループ線。
これもスイッチバックと同じく、当時の車両では一気に急勾配をかけあがる事ができなかったので編み出された技術ですね。
よーくみると先ほどまで居た線路が見えます。
ここらへんでも線路の真ん中に停車して観光タイムを準備してくれます。
ぐるっとのぼった上の矢岳駅に到着、ここでも観光タイム。
昔ながらの古い駅舎がまた趣があるのですが、ここ矢岳駅の見所は…
SL展示館が併設されているのです!
中には資料的なものと…
ある意味最大の資料であるSLがそのまま展示されています。
しかも登れるんだわこれが!
最後にお姉さんに、SLとのツーショットをお願いしてパチリ。
それでは出発の時間、次の観光ポイントに向けて!
宮崎-熊本の県境を越える。
ここで矢岳第一トンネルを通過。ここがこの「肥薩線」の工事の難所であり、工事中の事故で多数の方が亡くなる程の難工事だったそうです。そしてそのトンネルの両側の出口には、「天険若夷」(てんけんじゃくい)と「引重致遠」(いんじゅうちえん)という文字が彫ってあります。
Wikipedia:肥薩線>山縣伊三郎と後藤新平のそれぞれの筆による扁額「天険若夷」(てんけんじゃくい)と「引重致遠」(いんじゅうちえん)は、このトンネルの難工事を労るものでもある。なお扁額の意味は、「天険、夷(い)の若(ごと)し(天下の険しい難所を平地のようにした)」・「重きを引きいて遠きに致(ち)す(重い物を引いて遠くへ至ることが出来る)」とのことである。
そしてトンネルを抜けた先で眼下に広がるのは日本三大車窓がやってきます。
ここでも電車は線路の真ん中で停車、ゆっくりと絶景を楽しめます。
今回はあいにくの天気でしたが、それでも雄大な景色は圧巻。
そしてこのタイミングで車内販売くるかー!!!
そりゃ買いますともさ。
そしてここから真幸駅に向かってスイッチバックで降りていくのですが…
待ってる、みんなもう待ってるよ!!!
まってろよー。
スイッチバック再び、そして列車はゆっくりと駅へ。
やってきたのは真幸駅。真実の幸せとかいてまさきと読みます。
お出迎えが!
真幸駅では地元の皆様が特産品や農産品などの販売を行ってくれます、そういった事情もあり電車がホームに止まると皆一路に駅舎へ。
あ…。
賑わう物販所から少し離れ、駅をぐるりと散策します。
すてないで ネ
そして自分は記念入場券を今回も確保。
あとモロコシ。
最後に真幸駅の名物である「幸せの鐘」を鳴らして出発。
最後まで皆さんが手を振ってくれました…また来ます!
そして真幸駅を出た列車は終点である吉松駅に到着。
『マスター、これは楽しかったと言わざるをえません!』
…セイバーさん、まだまだ続くんだぜ?
赤い車体のいさぶろう・しんぺい。その隣に滑り込んできたのは真っ黒のボディ。
観光列車3連続の最後を飾るのは、ここ吉松と鹿児島中央を結ぶ観光特急・はやとの風。
全身黒のボディがかっこいい…
外の雨模様がぼちぼち強くなってきたのが気がかりですが…鹿児島中央へ向けて出発しましょう。
と、ここでいきなりの乗車変更予告。
当初の予定では、吉松-(特急はやとの風)→隼人 隼人-(特急きりしま)→霧島神宮という移動でここで解散、九州組は霧島神宮から鹿児島中央経由で北へ 飛行機組は霧島神宮から宮崎空港へ抜けて…という予定だったのですが、このままだと九州組の霧島神宮滞在時間がほとんど無いことが判明、それだったらいっそはやとの風に最後までのっちまうか!という話になったのでした。
あと…
すんげえ土砂降りでさあ!!!
大隅横川に到着したのですが、観光する余裕もないほどの土砂降り。
以前来たときは「ぜひ外へー」というアナウンスもあったのですが今回は雨が強いので中からご案内します、という事でいくつかご案内。
そしてものすごくわかりにくいけど大隅横川駅名物・先の大戦中にグラマンの機銃掃射を食らった跡。
未だにその傷跡はしっかり残っております。
タブレットキャッチャーすげー。
それでは今のウチに「特急はやとの風」の車内をご案内。
薩摩の大地を駆け抜けるレトロな観光特急列車の中は、木の温もりで溢れたとても明るい空間。SL人吉・いさぶろう(しんぺい)とそれぞれレトロモダンという雰囲気で表現してきましたがこちらも同じコンセプト、それでありながら全体的な配色の明るさと開放的な窓のおかげで3つの観光特急の中でも飛び抜けてフレッシュな雰囲気を感じさせてくれる列車となっております。
オープンスペースも広く、展望席は足下から天上まで大きく開いた窓から薩摩の大地を楽しむことが出来ます。もちろんこの列車もこれまでの列車と同じ水戸岡鋭治先生のデザインになります。
もう5年ですかー。
そしてここでもやってきたプレートタイム!
馬鹿野郎達みんなで。
『マスター、わたしも、わたしも…』
だめ!!!
列車は南へ、南へ。
…ここで、ワゴンサービスで本日のオヤツをゲット。
たまごたっぷりプリンきた!
2年前は「シロクマ」を食べていたのですが今回はたまごたっぷりプリン。人気商品らしいです…
『・・・・・・・・・。』
…良いヨ、セイバーさんもお食べ。
ごまんえつ!!!
そして次の停車駅・嘉例川に到着。
嘉例川駅は霧島温泉のお隣の肥薩線の駅。
…といっても既に写真をご覧になればお分かりとは思いますが、こちらもまた非常にレトロな駅舎で趣を超えすでに風格がある佇まい。
それもそのはず、ここ嘉例川駅が建設されたのは1903年…つまり106年前の駅なのであります。
また、こちらで購入できる「かれい川」という駅弁は現在の駅弁ランキング1位。事前予約していなかったのもありまして今回は購入できませんでしたが、雰囲気のある駅舎と昔ながらの懐かしい駅弁。これを贅沢と言わずして何を贅沢というのか、それを僕は知りません。
発車前、おねいさんをパチリ。
そして嘉例川を発車し次の停車駅は隼人駅…そう、ここでおかp座長・P6さん・かずぴーさんとはお別れになるのです。皆様は隼人駅から東をめざし、我々は鹿児島中央を目指してそのまま線路の上を走ります。
錦江湾が見えてきました…
しかし窓の外の美しい桜島をちらりと見た後また我々は情報収集へ。
…そう、鹿児島中央で何かうまいものを!という事になったのです。
この件に関しては次の最終回にて詳しく。
竜ヶ水。1993年に発生した豪雨で土砂崩れなどがあり、それの災害復旧記念碑が設置されております。
竜ヶ水駅 – Wikipedia8.6水害での被災駅舎および周辺地域は1993年(平成5年)に発生した平成5年8月豪雨で甚大な被害を受けており、その際の乗員乗客脱出劇は、NHKの『プロジェクトX』をはじめ、さまざまなドキュメンタリー番組で取り上げられている。
被災時の有名なエピソードとして、停車中の車両を堤防代わりにして乗客を避難させた乗務員の話がある。被災したのは西鹿児島駅(現:鹿児島中央駅)行きの普通列車で、竜ヶ水駅に停車中に鹿児島駅方面の線路が土砂崩れで通行不能になってしまう。乗務員は国分方面へ引き返そうとするが、いつまでたっても指令室の許可が下りず、交渉中に国分方面の線路も遮断され立ち往生してしまう。このとき土石流の危険を感じた乗務員がとっさの判断で崩れそうな箇所にあえて列車を停車させ、乗客のいない車両を堤防代わりにして乗客を避難させた。この好判断により乗客の多くは土石流発生直前に避難することができたが、乗務員の指示に従わず降車を拒否した乗客3名が大破した車両もろとも犠牲となった。なお当時避難救助活動に従事した乗務員は、その後過労死で亡くなっており、最終的に労災が認定されることとなった。 |
鹿児島中央に無事到着。
観光列車3連投は流石に満腹すぎました…
それであれば実際に自分たちの腹も満腹にしよう、という事で一度鹿児島中央駅から出て、目的地に向かいます…。
―つづく。
・たびのたびにっき特別編 ”ゲキ★ヤス旅行記II” 最終夜
5回シリーズだった今年のゲキヤス旅行記も今回が最終回。
スタート地点は鹿児島中央、ここから先はただ長崎に戻るだけ…ではなく、鹿児島中央で一度途中下車することになります。
前回の旅行記、覚えていらっしゃるでしょうか?
我々が車内で必死になにかを調べていた事を。
調べていた内容は鹿児島中央付近の美味しいお店。
そう、この途中下車のコンセプトは「鹿児島で黒豚食って行こうゼ!」であります。
しかし。
鹿児島中央にやってくる特急はやとの風の中で、イーモバイルやケータイ経由でグルメ情報を探したけど「場所」とか「味」とか「時間」とかにおいて妥協できる選択肢が見つからない…やはり地元の情報に特化したサイトとか知識人とか…という時に頭上の電球がピコーン。
結論:はやとの風のアテンダントのお姉さんにオススメのお店聞いた。
…ということで、やってきたのは鹿児島中央駅から徒歩すぐの所にあるホテルユニオン併設のお店・六白亭さん。
「鹿児島中央駅から近い」「黒豚食える」「なによりお姉さん的オススメのお店!」という条件に対していろいろ考えて頂いた上で教えて頂いたのがこちら。アレですよ、「はやとの風のお姉さんのお薦め!」というのはそれだけでもブランド感ではありませんか!というと言い過ぎだけど、普段私たちも食べに来るんですよーという事だったので素直に信頼して伺いました。
到着したのは16:50頃。お食事タイムは17:00から、というかその時間でないと調理担当者が来ませんので…とおっしゃられていたので、今のウチにメニューを頂戴してワイワイと眺めておく。あー黒豚うまそうだなーとか思っていたらお酒メニューが充実してた。酒充。
佐藤が!白い!せいさませいさま!!!
それにしても酒やっすいなー、というか良心的価格だと思う。種類もめっさ多かった。
やっぱ鹿児島なんだな、ここは…。
ミスター呼んで、あと大魔神。
お料理きたー!
自分がお願いしたのは黒豚のトンカツセット。
お味噌汁ではなくてちゃんと豚汁になってるのがうれしい。
というかボリュームが予想以上だぞこれは…油断してた…。
ぐぬぬぬぬぬ、こっちはサッパリと美味しく頂けそうじゃないか…!
それでは、いただきます!
・
・
・
うひゃー、鹿児島最高!!!
これだよこれ、今食べたかったのはコレ!!!
おごちそうさまでした!
大変おいしゅうございましたし、何よりすごく楽しい時間を過ごせました。
問題はゆっくり食べ過ぎてまた電車の時間がチトやばい。
つまり鹿児島中央駅までまたダッシュ、という事でしょうか。
さて…食後の運動、行きますよーっ!!!
「たびさん何もってんの?」
「…ん、スイカ。」
「スイカかー。」
「…もったいないから。」
「そっかー。」
セイバーさんにはあげません。あいつ寝てるしもう。
ふっと横を見ると火山灰を捨てるステーションが・・・ほんと鹿児島だな!!!
つ、ついたっ…
のぼれー!!!
ホームついた!…とおもったらまだ時間に余裕あった、1分ちょい。
OKそんだけあれば十分だ、という事でつばめさんの写真をまったり撮ってた…いやまったり、ではないけど。
ここでタイムオーバー。発車ベルが鳴り響く中、つばめの中へまいります。
九州新幹線つばめ。こちらに乗るのも…2年ぶりですか。あの時は反対方向、新八代から鹿児島中央へ向けてのルートでしたが今回は上りで一気に北上します。
JR九州が新幹線を作ったら、普通のシートもこうなりました。
といっても基本的にはJR西日本からの技術供与によるものではあるのですが、室内空間をどう作り出すか…という事に関しては流石JR九州。面白い答えを僕たちにみせてくれました。
ここでゆっくりと探検にも行きたかったのですが…
そしてここで写真をチェックしようと、VAIOを広げて
意識が飛びました。
次に意識が戻ったのは、新八代に到着間際でした…
ここでは同一ホームでリレーつばめと接続しています。
今回のゲキヤス旅行で一番時間的余裕がないのはここでした。毎回なんだかんだでがんばって列車の頭を写真とっていましたが、今回はまったくダメだった…
リレーつばめ乗車。
…しかし、この車両は少し「おかしい」のであります。
朝とぜんぜん雰囲気が違う…そしてなにより
この天井!!!
実はこの4号車もともとはビッフェだったりします。この天井のデザインは「スーパーエッグドームルーフ」というデザインとか。こういっ空間の演出が最高の贅沢なのでしょぅが、その反面ビッフェが廃止され通常の座席となった時…網棚がないんです。つまり荷物がおけません。
その代わりシートの間が非常に広く、グリーン並みのシートが確保されていたりします。
問題は新八代からまたすぐに寝落ちして「たびさん、鳥栖、鳥栖っ!」と目的地につくまで意識が飛んでたんだよなあ…。
実はゲキヤス前日の金曜夜、そして昨晩である土曜もほとんど寝れなかったのでそういった事情もあり眠気はMAXだったのです。これが「はやとの風」とか「SL人吉」とかじゃなくてよかったよ…とすこしでも ポジティブに考えないと。
鳥栖に到着。
ここでさらに博多を目指すご一同様と別れて、自分とでこぽんさんは長崎本線ルート。
同じかもめで戻りましょうねー、という話をしていたのですが
目の前に特急ハウステンボスが滑り込んでくる。
でこぽんさん、ここで体力切れにより一秒でも早い帰宅を選択。
うおおおお、予想外の所で一人になってしまった…とはいえ特急かもめがやってくるまでのんびりとした時間がある。
よろしい、ならばかしわうどんだ。
鳥栖駅名物かしわうどん、この優しい味は大好きで大好きで…子供の頃はこのうどん食べるためだけに長崎から鳥栖にきて、うどん食べたら長崎に戻っていた事もあるのヨ。
そろそろ定刻。
電車がやってきます…
の前に特急ゆふがやってきた。
それと同時刻、反対報告から特急かもめがやってくる。
今回の長かったゲキヤス旅行も、これが最後の列車になります。
混んでた。この日のかもめは大変混んでいた。
…いや、いつも通りというべきか。週末を福岡で遊んでいた長崎民が夕食を食べて戻るには丁度良い時間というのもあるのでしょうか、長崎に到着までほぼ満席状態でした。
通路もだしデッキにも人が溢れる始末。
…セイバーさんは安住の地をみつけたようで。
帰路では今回の旅でついにVAIO Pさん大活躍開始。といってもちょくちょくといじってるうちにまた寝てしまい、気がつけば長崎トンネル抜け長崎市街地中心部に入ってきた後だった…のですが…
車止標識。この標識が今回のゲキヤスの旅で最終目的地である長崎に戻ってきた…そう感じさせてくれます。
『マスター…流石に疲れました…』
自分も疲れたヨ、さっさと帰ろうか。
長崎駅。ここでまた大変雨が強くなる…
仕方なくタクシーで帰ることに。
そして今年のゲキヤスが終わる。
ありがとうございました。
…いや、まだ終わらない。
ゲキヤスから戻って数日後、やっと時間を作れた自分はバスの中にゆられていました。
やってきたのは長崎市内中心部・高台にあり長崎港を一望できる浜平。
そう、げきやす出発時に「後で長崎戻ってきてから支払にきます!」というタクシー代の残り500円を支払に、中央タクシーさんの事務所までやってきました。
事情を説明して、タクシー代と御礼の品を運転手さんに渡していただけるようにお願いしてくる。ずっとひっかかっていた胸のつっかえが、やっとこれで取れたきがします。
この後は下山して長崎市内でいくつか用事、そして西浦上駅から再び電車に。
…といっても、長崎駅の隣の隣駅。
あっというまに長崎駅に戻ってきました。
そして再びの車止標識、再びの終点長崎。
しかしこれが本当の意味での終点。
ゲキヤス。
今年も勿論楽しかったです、文句なしに。
前回のゲキヤス!から2年。前回は4人でまったりと回りましたが、今回は8人という大人数になり旅を楽しむ規模も倍。
新しいルート、新しい列車、新しい出会い…ただ純粋な移動手段ではなく、その移動中の時間をも楽しめる瞬間。それこそがJR九州が思い描く「鉄道の旅」というもの…それを感じることが出来る本当に幸せな二日間でした。
ゲキ★ヤス 旅行記シリーズ
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