2002/03/08

YBBと比べりゃあであります。 ・特別寄稿:是非とも吹き替え版で鑑賞を!! 映画「ロード・オブ・ザ・リング」 友人の弾夫師(仮名)から ロード・オブ・ザ・リングに関する寄稿を頂きましたので掲載させていただきます、興味がある方は是非どうぞ。 ※html化にあたって、改行及びリンクを追加しております、オリジナルはこちらをご覧ください。

是非とも吹き替え版で鑑賞を!! 映画「ロード・オブ・ザ・リング」 ※※映画ネタバレはありません※※  3/2に公開となった話題の映画「ロード・オブ・ザ・リング」(邦題)  ファンタジーの最高傑作と賞賛される、J・R・R・トールキン教授の “The Lord of the Rings”の映画化である。実写映像化は不可能と言われ続けてきた壮大な物語がついにスクリーンにその姿を現した。  今回公開されたのは原作の第一部“The Fellowship of the Ring” (邦訳“旅の仲間”)のパート。映画全三作の一作目で二作目は今年クリスマス、三作目は来年クリスマスの公開がすでに決定している。(欧米での話。日本公開は幾分遅れる可能性が高い) 三部作と聞いてスターウォーズを思い浮かべる方も多いと思うが、この映画に 関しては長い一つの物語の1/3と考えるのが正しい。実際今回の映画も物語の途中で終了するし、SW1作目の様にそれだけである程度完結してるということもないので見に行く方は注意されたし。  映画の細かい内容やレビューについては省略させていただくとして、今回述べたいのは、映画を未見の方や2度目を見に行こうと思っている方に強くお勧めしたいのでが、タイトルにもあるように、“是非とも吹き替え版での鑑賞を奨めたい”という点である。  その理由を挙げる前にこのレポートを書いている自分についてだが、15年以上前に原作日本語版を読み、それ以来の指輪物語ファンである。ホビットの冒険やシルマリルの物語(同じ作者による指輪物語の舞台“中つ国”における別の話)も当然読破しており、映画は字幕3回、吹き替え2回、鑑賞した上での意見である。参考までに。それでは以下にその理由を挙げていこう。 ・単純に情報量が多い
日本語の場合殆どの人は読むよりも聞く方が同一時間で多くの文章を理解することが出来る。字幕ではカットされた細かい情報が吹き替えではセリフの中から得られるのでより作品を理解しやすい。とくに登場人物が多く情報量も多いこの作品ではこのことは重要である。
・人物関係を理解しやすい
原作を知らずに字幕のみ見た方は主人公フロドとサムの関係を最後まで誤解していた方もいたことだろう。これはネタバレと言うよりは映画を見るための予備知識程度の話なので述べるが、サムは主人公フロドの家(バギンズ家)の庭師で、2人は主従関係である。2人の関係は続く第2作、第3作目を楽しむ上でもちゃんと理解しておく必要がある。しかし、字幕ではそれが上手く伝わっていないし、パンフレットにさえ親友と書かれている始末である。それに対して吹き替えの方ではサムが庭師であることがわかりやすくなっており、“旦那”という言葉のおかげで容易に主従関係が理解できる。
・良く似た顔の人物を見分けやすい
登場人物の多いこの作品、人物の見分けがつかなかったという方も多くいただろう。特にアラゴルンとボロミア、メリーとピピン、この見分けが困難だったという声は良く聞く。ところが吹き替え版の場合は、元の役者以上に吹き替えの声優の方の声質が違うのでこれらのキャラクターの見分け(声の違いによる判別)が容易になっている。特にアラゴルンとボロミアがハッキリ区別できないと映画の楽しみを大きく削ぐことになるのでこの二人の区別がつきやすい吹き替え版はとてもありがたい。
・字幕がひどい
映画字幕というのは制約が多い。人間が画面をある程度見ながら読める文字数というのは1秒4文字(一応の目安。状況により多少異なる)と言われている。字数を多くすると元のセリフをより正確に伝えられるが、読むのに手一杯で映像を見る余裕が無くなる。逆に字数を少なくすると読むのは楽だが正確性に欠けるということになる。そこで字幕翻訳家は字数制限の中でなるべく正確な情報を伝えるべく意訳を行うわけである。そこでこの作品における字幕であるが、これがヒドイ。あまりにも強引な意訳や、誤訳としか言い様のないものが随所に見られる。“字幕だからしょうがない”という言葉ではとても片付けられない。具体例をあげて説明したいが映画のネタバレになるのでここでは述べないでおく。 今回字幕を担当されたのは戸田奈津子女史。おそらく日本で一番有名な字幕翻訳家であろう。特に映画ファンでなくとも名前を知っている方は多いと思う。だが戸田女史は映画ファンの間ではその誤訳、妙訳、珍訳、でも広く知られている。興味のある方はgoogleで“戸田奈津子 誤訳”で検索をかけてみるといいかもしれない。 私は戸田女史の過去の仕事を全て知っているわけではないので今回の字幕だけで 女史の仕事全てを否定するようなことはしない。だが今回の仕事“だけ”に限って言うならば、とてもヒドイと言わざるをえない。現在ネット上の噂で第2作目以降も女史が字幕担当になるとの話が流れているのだが、そうならない事を切に願う。
・声優陣の名演技
今回吹き替え版の声優陣だが、話題性を高めるためのアイドル声優的なもの(シュレックでのダウンタウンの浜ちゃんの採用といったもの)は一切なく、どの声優陣も役にふさわしい声であるし、その演技も全体的にとても質の高いものであると私は思う。特に字幕と違って細かいニュアンスまでダイレクトに伝わって来るのは吹き替えゆえの良さだろう。 その他、原作ファンに慣れ親しんだ名セリフが吹き替え版の方が再現度が高いとか、小声での喋りが字幕では無視されているとかといった理由も挙げられるが原作ファンでない一般の方には上記に挙げた事ほど重要ではないと思われるので割愛する。
さて、多少文章が長くなってしまったが、ここまで読んで頂ければこの映画に関しては字幕より吹き替えの方がより作品を楽しめることが御分かり頂けたと思う。“どうしてもあちらの役者の生の声を楽しみたい”という方以外は劇場に足を運ぶ際はぜひとも吹き替え版を観に行って欲しい。 ちなみに吹き替え版を公開している劇場に関しては下のURLで調べられます。 [参考リンク] 長い文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。

文責 次回作まで待ちきれない原作ファン@裂け谷住人

春風亭工房さん、抗議の閉鎖。[しおりん] ・遊ing中央橋店 1F回転塔に赤い靴あるよ、あと3、4冊。←後日見に行って売れていたらと思うとドキドキ。 ・指輪物語(吹き替え版)見てきます。]]>

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